SUPRO

Supro Amplifiers: the Lore, the Legend, the Tone

by Dave Hunter

稲妻があしらわれた伝説的なSuproロゴを見ると、ほとんどのギタリストは同じようなイメージをかき立てられることでしょう。そのイメージとは、個性的なルックスや唯一無二のトーン、ヴィンテージ真空管アンプの中でも比類のない神々しいまでのすばらしさといった言葉に集約されるでしょう。しかし、このアンプがいかに素晴らしいかを示す、もっとシンプルな事実があります。それは「これが欲しい!!」といったジミ・ヘンドリックスを始め、ジミー・ペイジやアルバート・リーといった無数の名だたるスターがこのアンプを求めたということです。そして、Suproアンプを使用してブルースやロックといった音楽の礎が築かれました。Suproブランドのルーツは現在知られている黄金期よりももっと前、エレクトリックギターの黎明期にまでさかのぼる事ができます。

Supro Lightning Bolt

Suproの起源はエレクトリックギターが生まれる前、1926年頃にNational Resphonic Guitar社が設立されたところにあります。アンプが主流になる以前、リゾネーターギターがブルーストーンの主流を占めていた時代です。National社とDoblo社は30年代初期にValcoやSuproといったブランドを発足させるべく合併しました。間もなく、Valco製のSuproアンプはそれ以来ブルースの代名詞となるトーンを作り上げ、シカゴのサウスサイドシーンに衝撃を与えました。60年代半ばまで、ジミ・ヘンドリクスはリトル・リチャードやアイズレー・ブラザーズとのツアーでSupro Thunderboltを使ってプレイしていました。数年後、ジミー・ペイジがシカゴブルースの生々しいトーンに触発され、Supro Model 24のサウンドをレッド・ツェッペリンの曲に吹き込みました。これにより、Suproトーンがシカゴブルースからロンドンのブルースロックへと影響の輪が広がっていったのです。

A tone that is truly all your own

その後、プレイヤー達はSuproの極限にまで練り上げられたオリジナリティと、ユニークさを持つ回路構成から生まれる音の素晴らしさだけではなく、このアンプのシンプルがゆえに変化し、引き出される魅力的且つ驚くほどの多様性を次々に発見していきました。このアンプにプラグインすると、アンプ本来の音とその音にインスパイアされて高まるプレイにより、トーンが更なる次元へと押し上げられていくのです。このヴィンテージ回路には他ブランドでは真似のできないトーンの輝きや深さ、奥行きといったものがあり、ダイナミックに反応するフィーリングは、演奏する度にプレイヤーを間違いなく笑顔にするものです。クリーンな音は甘く豊か。一方で、パワーを上げていくと、たとえ小型モデルだとしてもヘヴィーオーバードライブにも通ずるエッジの尖った太く、怒れるような轟音を生み出します。

オーセンティックなシカゴブルースからいかなるロックンロールにおいて、Suproは過去のスタンダードと言われたトーンを頑張って追い求めているプレイヤーよりも、むしろ、音楽に自分自身のトーンで命を吹き込みたいと望むプレイヤーに向けた音であると分類しています。Suproアンプを知り、どんな事ができるアンプかを理解しているプレイヤーは自身の音を遺憾なく発揮させてくれるこのアンプを常に大切にしています。Suproは常に音楽を作る際のヒントやインスピレーションを与え、気付かせてくれるアンプです。長い間、伝説のSuproトーンを手に入れる為の方法はヴィンテージアンプを探しだし、上手く動作するように調整し、そのまま壊れないようにと願うしかありませんでした。そういった事はもう必要ありません。Suproは戻ってきました。逸話や伝説、そのサウンドを含め、ありとあらゆるものをそのままに復活しました。オリジナルサーキットをリスペクトしながら、今日の市場において価値とパフォーマンスにおいて肩を並べるものはいない、復活したアメリカ製のSuproアンプ。各ラインナップをチェックし、弾いてみる事をお勧めします。このトーンはまさにあなただけのトーンなのです。